家賃は人気で決まりますが、最も影響が大きいのは”地域”です。

経済の流れと土地の物価変動

 

本章では、あなたが支払っている家賃が相場に見合っているどうかを解説していきます。
まずは、家賃の相場の仕組みについて説明していきましょう。家賃の相場はもちろん経済と深い関連性があります。
まずは、経済の流れと土地物価の変動についてみていきましょう。

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、戦後の日本経済は1950年代から高度成長期を迎え、1968年にはGNP(国民総生産)のランキングで世界2位になるまでに至ります。
1970年台に入ってからも安定成長を続けますが、1986年頃にいわゆるバブル景気が起き、最高潮を迎えることになります。

 

住宅購入

 

土地の価格も1960年頃に住宅(建売)ブームが起き、その後も高度成長期中も好景気に引きずられ上昇傾向にありましたが、このバブル景気で投資が投資を呼び、地価が10年間で3倍以上に上昇することも珍しくない事態になりました。

 

しかし、1990年代に入るとバブル崩壊が起こると、地価は急激に下降し、バブル以前の水準にまで戻り20年以上停滞したままという状態です。
2006年~2008年にかけてはミニバブルが起きて上昇の兆しを見せますが、リーマンショックですぐに落ち着いてしまいました。

 

 

家賃相場の変動

 

グラフ

 

では肝心の家賃相場の推移はと言うと、景気や地価と連動するかのように、1950年代からバブルがはじける1990年まで右肩上がりに上昇します。
物価の変動もあるので一概には比較できませんが、40年間で1坪あたりの相場もなんと10倍以上に上昇していきました。

 

地価と景気はバブル後に急激に後退していきましたが、家賃相場は実はバブル崩壊後も暴落することなくほとんど変動がありません。

 

景気が良くなれば可処分所得が増加したり、また住宅建築に必要な土地の値段や材料費、建築費が上昇したりすれば比例して上昇し、反対に景気が後退したり地価が下がったりすれば家賃相場は下がりそうなものですが、実はそれほど影響を与えていないことがわかったのです。

 

なぜなら家賃相場というものは、建築費等の経費自体で決まるのではなく、需要と供給のバランスによる「市場価格」で決定するからです。もちろん、土地相場や景気も少なからず影響を与えていますが、最終的には住宅事情の方が強く影響していると考えられます。

 

 

現代の住宅事情と家賃相場の決定打

住宅事情では「核家族化」「ストロー化現象」の2つがキーワードになります。

 

1950年代頃は、2世帯・3世帯で一緒に同じ住居で暮らしており、平均世帯人数が5人であったのですが、年々減少していき2014年にはついにその半数である2.5人を割っています。

 

2006年までは人口は増加し続けていたこともあり、世帯数自体は増加を続け、1950年代には2000万世帯だったのが現在では5000万世帯を超えていると言われております。
もちろん、世帯が増加するほど住居が必要になる為、住居の需要は増加し、家賃はゆるやかに増加もしくは高止まりとなっているのです。

 

しかし、全ての地域の家賃が上昇しているわけではありません。それを紐解くキーワードがストロー化現象です。

この現象は、地方をはじめ不人気地域から人気地域へ人が流出し、一方で過疎、一方で人口過密になるという現象です。

 

先ほどもお伝えした通り、家賃相場は需要と供給によって決まるので、都心部は人口増・家賃上昇地方都市は人口減・家賃相場下落の傾向があります。

 

なお、都心部であっても、古い・不便な構造となっている・シロアリの被害を受けている等の所謂“ワケアリ物件”である建物の場合、他の物件に比べて需要が低くなってしまい、家賃が下落するのが一般的です。

 

そう、つまるところ、「家賃は人気で決まる」と言えます。
住居の人気の要素と言えば「デザイン」「広さ」「間取り」「設備」「築年数」「建築会社」「環境」「立地」など様々なものがありますが、最も影響が大きいのは「地域」です。
地域は、主要都市への交通アクセス治安・文化などの住環境などが影響します。次章では各地域の相場と人気の要因を解説していきます。

 

⇒次章「東京都23区都心エリア

 

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